Wild Orange Official Blog

Wild Orange Artists and Wild Orange Asia official blog.

2014年10月

ほんとうにひょんなことから、先日まで来日していたオーウェン・ウィルソンとピーター・ボグダノビッチ監督の東京アシスタントをしていました。

第27回東京国際映画祭で来日を果たしたピーター・ボグダノヴィッチ監督とオーウェン・ウィルソン
Walker Plusさんより転用
http://news.walkerplus.com/article/51888/

コトの始まりは来日前日の土曜日朝。
朝起きたら、アメリカに住んでいる長年の友人から携帯にメッセージが入っており、
「オーウェン・ウィルソンとピーター・ボグダノビッチが東京に行くんだけど、
現地で細々ヘルプしてくれるアシスタントを探してるんだって。
アユミやんない?」 とのこと。

寝ぼけ眼で8回ぐらいメッセージを読み直し、
やっと"驚く"段階まで到達。
え!?オーウェン・ウィルソン!?ピーター・ボグダノビッチ!? まじで!!!!
やるやるやるやる!!!

なんでも、友人のそのまた友人が、オーウェン・ウィルソンが主演しているボグダノビッチ監督作のプロデューサーだそうで、
このプロデューサーが、現地アシスタントを探していたよう。
日本語と英語ができて、なんとなく映画業界もわかるというので、私の名前がピンと頭に来たそうです。
なんたる光栄、なんたる偶然。
ありがたやーと思いつつ、よくよく聞いたら来日は翌日の日曜日。
24時間もない!
こうして、まったく準備が整わないまま、あたふたとこのハリウッドからの来客を迎えることになりました。

彼らが来日したのは、10月末に開催されていた東京国際映画祭のゲストとして。
通常、作品をひっさげての来日では、日本で作品を配給する配給会社さんがフライト・ホテル・食事・観光 などをすべてアレンジされますが、
今回の"She's Funny That Way"は、日本での配給が未定。
もちろん配給会社も存在しないので、「日本来ちゃった!でも一人!」という状況が、
オーウェン&ピーターの珍しいケースだったのです。

今回の仕事はメインが映画祭出席ですし、
すでにその周りでのスケジュールは確定していたので、
私がケアすべきは公式イベント以外の、いわゆるヒマな時間。
実はオーウェンは驚きなことに初来日で、東京に関する知識はゼロ。
「なにしたい?」という質問にも、「どこかキミが好きなところに連れてって~」という、
めちゃユルい(そして一番コーディネーター的には困る)答えしか返ってこなくて、当初は困惑の極み。
「いや、あたしの好きなトコって言ったってアンタ・・・」とビビっていたのですが、
用事で行った表参道がいたく気に入ったので、そのまま表参道や代官山付近をぶらぶらお散歩。
本当にリラックスしたEasy going な人で、こちらとしてはアテンドがものすっごい楽でした。

本が好き、ということだったので、代官山の蔦屋さんに連れて行ったところ、
「今まで来た中で最高の本屋だ!」と夢中で本棚をぐるぐる。
ふと周りを見ると、ウェス・アンダーソン特集の写真集だったり、オーウェン自身が表紙の雑誌が飾られてたりして、
「なんてシュールな光景なんだ・・・」と、夢中でサーフィン写真集に没頭するオーウェンを遠目で見守りながら、独り言ちておりました。

約1週間滞在していたのですが、映画祭イベントに出席するほか(サプライズでQ&Aとプレスインタビューに登場。客席は黄色い声と、溢れんばかりのマスコミのストロボで大変なことに)、
美術館に行ってウルウルしたり、
日本食(特に懐石料理がお気に入り)を初めてちゃんと食べて「なんてウマいんだ!今までの人生でこんなに美味しいものは食べたことがない!」と劇的に感動したり、
「日本の人って本当に丁寧で親切だよね。街も静かで平和。いいなぁ」とほんわかしたり、
とりあえず彼の東京滞在は良い印象で終わったようなので、
空港に向かう彼を見送った私もホっと胸をなでおろしました。

一方、ボグダノビッチ監督は映画祭公式上映に登壇したり、
国立近代美術館フィルムセンターで行われたトークショーにご出演されたりと多忙。
時差ボケがなかなか治らず、つねに「寝れなかった・・・」とぼやいておられましたが、
ご本人はとってもチャーミングな方で、動きはゆっくりなものの、頭の回転はびっくりするほど高速。
特に年号をしっかり覚えていて、映画の話をしていても、「○○年公開」というのがパン!と出てくる、まるで生き字引。

一緒にご飯を食べていても、口からでるご友人のお名前や、
「あの時こんなことがあってね・・・」という思い出の登場人物が、
ジョン・フォードやオーソン・ウェルズやマーロン・ブランド、マリリン・モンロー、リバー・フェニックス、オードリー・ヘップバーンなどで、
バカの一つ覚えのように"That's great"以外の感想が出てきませんでした。
こりゃ映画学校3年分のレッスンが、監督との1時間で吸収できますわ。
本当に貴重な経験をさせていただきました。

監督も無事に飛行機に乗り、一路ロサンゼルスへ。
息つく間もなく、非現実的な1週間が終わりました。

あとは"She's Funny That Way"の日本公開が決まれば!
プロデューサーが「決まるかも~!」と口にしていたので、ぜひぜひそれが決まり、
日本の劇場で作品が見れることを祈っています。

 
"She's Funny That Way"
オーウェン・ウィルソン他、イモーゲン・プーツ、ジェニファー・アニストン、リス・エヴァンスなど、
豪華俳優がズラリとそろった、往年のスクリューボールコメディを彷彿とさせるラブコメ。
監督曰く、「世界には悲しいニュースが多すぎる。だから僕は人を笑わせて笑顔にさせる作品を作りたい」と。
素敵!! 

秋の夜長に映画でも・・・という人は多いと思います。
最近は特に週末が台風で全滅というのも続いてますし、
私もベッドに転がって家のYouTubeテレビ(YouTube並に画面が小さい)でチマチマ鑑賞しています。

映画業界に少しでもお世話になっている身であれば、できれば全部劇場で見たいところですが、
現実的なところ時間もお金もないですし、
私は特にDVDスルーとなるB級コメディが大好物という趣味嗜好の問題もあって、
渋谷TSUTAYA様様となる場合が多いです。

さて、今日は最近見たDVDのお話です。
タイトルは『ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式』(原題:Driking Buddies)。
長い副題が映画の内容を8割説明してくれてますが、
二組のカップルを主人公とした、「男と女の友情って成立するの?」というテーマを扱ったラブコメです。

ストーリーはものすごくヒネりが効いているわけでも、
この編集ヤバイ!音楽カッケー!というわけでもなく、
普通に見ると「まぁまぁ面白いアメリカ映画よね」という感想しか引き出せない作品なんですが、
実はこの作品の突出したところはその演出方法。
なんと劇中でしゃべっているセリフのほとんどがアドリブなのです。



監督はジョー・スワンバーグという若手で、自分自身も役者として活動している33歳。
なんでも「こういう流れの話ですんで、中身は即興でヨロシク!」という演出方法がお得意らしく、
その手法は本作でも炸裂。
そしてこの「ほぼ丸投げ」演出に、主要キャスト4名が見事に答えています。

たいして可愛いかないけど、その演技力と歌唱力はお墨付きのアナ・ケンドリックに、
Over30女子なら「『セックス・アンド・ザ・シティ』でキャリーをポストイットでフッた男」と言えばほとんどわかる(と思う)ロン・リヴィングストン、
TVドラマ「New Girl/ダサかわ女子と三銃士」のジェイク・ジョンソン、
そしてハリウッド注目株のオリヴィア・ワイルドが、
自身の経験も交えながら役を作り、自然体(アドリブなんで当たり前だけど)のセリフをぽんぽんつないでいきます。

特にオリヴィア・ワイルドの"ナチュラル・ビッチ"ぶりは驚愕。
彼女が演じているのは、ビール工場で働く紅一点の女子社員。
男勝りの性格で、仕事終わりにみんなでバーに出かけてビリヤードしてバカ話するのが大好き。
サバサバした性格だから男友達も多いけど、でも家にはしっかり年上の恋人がいて・・・。

このオリヴィア・ワイルドが、
男友達になんとなく甘えるところ、「あたし今夜OKだよ~ん」と言わなくてもシグナルを送る仕草、言葉、
「あれ、ちょっと彼に魅かれてるかも・・・」という時に見せる表情が、
「おまえほんとにそれアドリブかよ!?」と突っ込みたくなるほど、完璧なんですよね。
こんな女子周りにいたら怖いわ~これこそホントの肉食だわ~という感じ。

↑ 劇中のオリヴィア・ワイルドとジェイク・ジョンソン。こう見えてこの二人は「友達同士」という設定。
いつも思うけど、欧米の男女友達の距離って日本のそれより3倍ぐらい近い。


現在30歳のオリヴィア・ジョンソンは、医療TVドラマ「HOUSE」でブレイクし、
その後近未来SF映画『トロン:レガシー』でヒロインに抜擢されてから、ハリウッドで注目の若手に。
キッツい顔にハスキーボイスと、今いる女優の中では珍しい特徴をしていますが、
それが買われたのが「HOUSE」の前に出演した青春TVドラマ「The OC」。
ここで、主人公ミーシャ・バートンが同性愛者になった際のバイセクシャルの恋人を演じ、
視聴者に「お?」と印象付けました(私もその一人)。

映画出演作は増えていますが、今もテレビ作品にちょこちょこゲスト出演しており、
古巣への恩は忘れていないようです。
というか、彼女の演技力の根底は、地道に続けてきたTVドラマでの経験。
こういう女優さんを見ると、アメリカの芸能界の土壌の深さ、
各俳優さんたちが行うスキルの鍛錬に、毎回驚嘆します。

劇中ほっとんどビール飲み続けてるのに、エンピツみたいに細いオリヴィア・ワイルド。
最後まで完璧すぎ!(でも憎めない)



初めましてこんにちは、ワイルドオレンジアジアのセキと申します。
このたび会社のホームページがリニューアルし、
それに合わせて「ブログやりたい!」と叫び始めた社長(タチバナ)の意見を反映し、
ページに"Blog"項目ができることとなりました。
社長は「マメに更新❤」とか言ってますが、まぁどうなることやら・・・。
仕事関係のマジメな話は社長に任せるとして、私はなんとなーくエンタメに関することを、ツラツラ書き連ねていきたいと思います。
「ブログは更新!毎日更新!更新あってナンボです!!」と、HP会社にも断言されましたから・・・頑張らないとね・・・。
 
タチバナが8年前に立ち上げたワイルドオレンジアーティスト&アジアは、
人に何回説明しても、何をやっているのか一向に理解してもらえない不思議な会社です。 
私も親に説明するのをすでに諦めており、「日本と海外の橋渡しならなんでもやる!」という、
漠然と、でも確固とした会社のコンセプトをひたすら繰り返しております。
そう、弊社は「日本と海外をつなぐ」をモットーとしており、
そのためならばそれがキャスティングだろうが、マネージメントだろうが、製作・制作だろうが、事務仕事だろうが、 垣根なくやりまっせ! という社風です。

私はワイルドオレンジに入るまで、ずっと映画イベントをプロデュースするお仕事をしており、
どちらかというと出来上がった作品を世に出す作業をお手伝いさせて頂いておりました。 
ですがワイルドオレンジでは作品が出来上がるまでの行程に携わることが多く、
まったく違う世界を垣間見ることができて、日々勉強、ワクワクの毎日です。

前置き長くなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。


 

この夏で会社を立ち上げてから8年が経ちました。
私が育った街、
香港では末広がりの『8』は幸運の数字であり、何気に私も意識してしまう数字です。
8年経ち、
スタッフも拠点も増えたということで、ホームページをリニューアルしてみました。

母国以外で活動したいというアーティスト、エンタメ企業をサポートするべく立ち上げたわけですが、
今後もクライアントの方々が一層活躍できるような場所を積極的につくっていきます。

最近では全米、カナダで先日10月4日に初スタートとなった『Pinkertons』というドラマのプロデュースに参加させていただいております。
ハリウッドはテレビだ!と言い続けてようやくここまできた気がしております。
まだ振り返るには早いです。
どんどん攻めていきます。
そしてこのブログもマメに更新できるといいなと思っております。

今後ともよろしくお願いします。

2014年10月14日
カンヌにて
橘 豊

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